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メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)

1.メタボリックシンドロームとは
 メタボリックシンドロームとは、内臓に脂肪が蓄積して糖質や脂質の代謝異常を起こし、これが原因となって高脂血症、高血圧症、高血糖症などを重複して発症させた状態です。こうした状態は脳卒中、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患、糖尿病などを引き起こす危険因子として注意が必要です。わが国では2005年5月、日本肥満学会、日本内科学会が中心になり、復囲(へそ周り)、血中脂質、血圧、血糖値などの診断基準が作られました。また最近厚生労働省の研究班により、6〜15歳を対象とした診断基準も作られています。

2.メタボリックシンドローム診断基準
 大人の場合も子どもの場合も、@に加えAが2項目以上該当する場合をメタボリックシンドロームとしています。
(1)大人の場合
 @ウエスト周囲(へその高さで測る)
   男性:85cm以上     女性:90cm以上
 A 以下の2項目以上が該当する場合
   高脂血症 
    中性脂肪150mg/dL以上、又はHDLコレステロール40mg/dL未満。又はこのいずれ    にも該当するもの。

   高血圧
    収縮期血圧(最大値)130mmHg以上、又は拡張期血圧(最小値)
    85mmHg以上。又はこのいずれにも該当するもの。
 
   高血糖
    空腹時血糖値 110mg/dL以上
(2) 子どもの場合
 @ウエスト周囲(へその高さで測る)
   80cm以上
 A 以下の2項目以上が該当する場合 
   中性脂肪120mg/dL以上、又はHDLコレステロール40mg/dL未満。
   又はこのいずれにも該当するもの。

   高血圧
    収縮期血圧(最大値)125mmHg以上、又は拡張期血圧(最小値)
    70mmHg以上。又はこのいずれにも該当するもの。
   高血糖 
    空腹時血糖値 100mg/dL以上 

3.メタボリックシンドローム予防策
 最近肥満とともに増え続けるメタボリックシンドロームの予防に対し、厚生労働省も早期発見・改善の為に健康診断や、保健指導の見直しを始めました。またキャッチフレーズも「一に運動、二に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」としてPRしています。
個人が予防する方法としては「肥満しない」こと、及び「禁煙」です。

 @食事はカロリーをひかえ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの摂取を心がけましょう。

 Aたばこを吸う人は吸わない人に比べ、メタボリックシンドローム発症が2倍になるとのデータ   があります。喫煙が動脈硬化を促進し、心血管疾患発症の危険性を高めることが原因です。  皮膚に張りニコチンを体内に吸収するニコチン製剤(パッチ)が、保険適用になりましたので効  果的な禁煙治療が受けやすくなっています。

トランス脂肪酸に注意

1.トランス脂肪酸とは
 トランス脂肪酸は@マーガリンやショートニングを製造する際、液状の植物性油脂(不飽和脂肪酸)に水素を添加して固形化する、A油を抽出する時溶媒にヘキサンなどを使う、B高温で同じ油を何度もくりかえし調理に利用するなどの時出来るものです。その他微量ですが、反すう動物(牛、山羊、羊)などの腸内細菌によって作られ、これらの動物の肉、乳脂肪に含まれます。天然の不飽和脂肪酸の立体構造はほぼ全部がシス型ですが、トランス型は構造が異なります。



           H  H              H
            |   |              |
          ―C=C−           ―C=C−
                               |
                               H
    
           シス型不飽和脂肪酸        トランス型不飽和脂肪酸

2.トランス脂肪酸の問題点
  @トランス脂肪酸は、悪玉コレステロール(LDLやVLDLコレステロール)を増やし、善玉コレ    ステロール(HDL)を減らして炎症反応を起こし、虚血性心疾患のリスクを高めます。
  A気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を起こしやすい。
   以上の外に、高齢者が大量に摂取すると、認知症を起こしやすいとの報告もあります。

3.トランス脂肪酸への対応
 WHOやFAO(国連食糧農業機関)の合同会議、またEFSA(欧州食品安全機関)などいずれも、トランス脂肪酸の摂取と疾病との関連性を認め、摂取量を少なくするよう報告しています。
 こうした報告を受け欧米を中心にここ数年、トランス脂肪酸含有率表示を義務化する国が増え、消費者や外食産業における意識も変わりました。ニューヨークでは、外食産業におけるトランス脂肪酸含有の油使用を全面禁止、コーヒーチェーンのスターバックスも2007年中には、全米のすべての店でメニューを変えてトランス脂肪酸を排除する、ケンタッキーフライドチキンもこうした内容での変更を進めています。また心臓病協会推薦のTransfat free (「トランス脂肪酸」なし)というマーガリンもスーパーの店頭で目立つようになりました。

 わが国では「第6次改訂 日本人の栄養所要量」において、次のように述べられています。「トランス脂肪酸」は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や脂肪中にも存在する。トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDLコレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。」一般に日本人の脂肪摂取量は欧米人の3分の1以下などと言われますが、最近の摂取量は結構多いと思われます。

4.トランス脂肪酸とのつきあい方
 最近は食事の欧風化が進んでいます。トランス脂肪酸の少ない食品も大量に食べ続けると、トランス脂肪酸の体内蓄積が多くなり疾病のリスクを高めます。脂肪摂取過多にならぬよう気を付けましょう。
 @ 家庭でも外食でも、出来るだけ和食を心がける。
 A 食品を購入する場合、脂肪の含有量表示をチェックする。
 B マヨネーズ、マーガリン、ショートニングなどの使用量をへらす。
 C 天ぷらは少量の油で調理し、残った油は冷暗所に貯蔵し、出来るだけ早く使いきる。

当協会理事、医学博士鈴木雅子記



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